近年、筋トレブームの影響で、日常的にプロテイン(パウダー)を摂る人が増えてきています。
筋肉を育てるには、『プロテイン』=『タンパク質』が欠かせないため、食事だけでは足りない分のタンパク質を、プロテイン(パウダー)で補うというのが、正しい使い方です。
プロテインには種類があって、それぞれ特徴が異なります。
これから、プロテイン(パウダー)を摂りたいと思っている人の中には、
どれを選んでいいのか分からないという方もいるのではないでしょうか?
自分に合ったプロテインとは何なのか?知りたい方のために、プロテインについてまとめました。
ぜひ、プロテイン選びの参考にしてください。
プロテインとは?
先にも述べたように、英語でプロテイン(Protein)=タンパク質です。
ギリシャ語で、プロテウス=一番大切なもの、なくてはならないものという意味です。
日本では一般的に、プロテインというと、プロテインパウダーを指していますね。
(以下、プロテインパウダーのことを『プロテイン』と表記します。)
プロテインは、筋肉だけではなく、肌、髪、爪、内臓、血液などを作り出す、大切な栄養素の一つです。
プロテインの種類
まず、プロテインを選ぶためには、プロテインの種類を知っておく必要があります。
プロテインには、大きく分けて3つの種類があります。
①ホエイプロテイン、②カゼインプロテイン、③ソイ(大豆)プロテインの3種類です。
それでは、それぞれを解説していきます。
ホエイプロテイン
ホエイ(乳清)とは、牛乳に含まれる動物性タンパク質の一種です。
ヨーグルトの上に、液体が溜まっているのを見たことがありますよね。
あれがホエイです。牛乳のタンパク質の20%にあたります。
ホエイに含まれるタンパク質でできているのが、ホエイプロテインになります。
アミノ酸やビタミン・ミネラルが豊富に含まれています。
ホエイプロテインは、水溶性のため、吸収スピードが早いのが特徴です。
吸収スピードが早いため、運動前後に飲むと、筋肉の成長と修復に効果的で、おすすめです。
さらに、ホエイプロテインには、3つの製法があります。
WPC製法、WPI製法、WPH製法というの3つの製法です。
WPC製法(濃縮膜処理法)
フィルターで、乳清をろ過して濃縮する方法で製造されます。
ビタミンミネラルを、できるだけ多く残すことができます。
乳糖を含んでいるため、牛乳でお腹を壊す人には向いていません。
下痢やお腹の張り、お腹のゴロゴロなどが起こる可能性があります。
タンパク質の含有量は80%ほどで、比較的少なめの割合です。
価格は安めです。
WPI製法(分離乳清タンパク質)
分離されたタンパク質をイオン交換して製造されます。
タンパク質以外の成分が除去されるので、乳糖の含有率が低いのが特徴です。
牛乳でお腹を壊しやすい人も安心して飲めます。
タンパク質の含有量は90%ほどで、比較的高い割合です。
価格は高めです。
WPH製法(加水分解乳清タンパク質)
ホエイを加水分解して、細かくしたものです。
細かく分解されているため、吸収が早いのが特徴です。
タンパク質の含有量は95%ほどで、比較的高い割合です。
価格は高めです。
カゼインプロテイン
カゼインとは、牛乳に含まれる動物性タンパク質の一種です。
牛乳のタンパク質の、約80%を占めています。
凝固しやすい性質があり、チーズやヨーグルトは、その性質を利用して作られています。
カゼインプロテインは不溶性で、胃の中で胃酸と反応して一旦固まるので、吸収スピードがゆっくりで、腹持ちが良いのが特徴です。
牛乳で、お腹を壊しやすい乳糖不耐症の人には、向いていません。
ゆっくりと吸収する特徴を活かして、ダイエット中の間食や運動しない日のタンパク質補給、就寝前に飲むのもおすすめです。
ソイプロテイン(大豆プロテイン)
ソイ=大豆、大豆に含まれる植物性タンパク質です。
大豆の油脂や糖質などを取り除き、残ったタンパク質を粉末にしたものです。
大豆イソフラボンが含まれているため、女性ホルモン“エストロゲン”に似た働きをするため、肌の調子を整えるなどのうれしい効果もあります。
ソイプロテインは、吸収スピードがゆっくりで、腹持ちが良いのが特徴です。
大豆に含まれる、レクチンで、お腹を壊す人がいますので、そういう人には向きません。
ベジタリアンや、女性に人気があります。
腹持ちが良く、満腹感が得られるため、運動によってダイエットをしたい人や、イソフラボンによる美容効果を期待する人におすすめです。
プロテインの選び方
吸収スピードで選ぶ
- ホエイプロテイン→吸収スピードが早い(1〜2時間)→運動前や直後がおすすめ
- カゼインプロテイン→吸収スピードがゆっくり(5〜6時間)→間食・就寝前がおすすめ
- ソイ(大豆)プロテイン→吸収スピードがゆっくり(5〜6時間)→間食・就寝前がおすすめ
価格で選ぶ
プロテインは、継続して摂らないと意味がないので、長く続けられる価格であることも重要です。
美容効果で選ぶ
ソイプロテインは、カロリーが低めです。
ダイエットに利用するのも良いでしょう。
食物繊維を含んでいるため、肌の調子を整えたり、腸内環境の改善にも役立ちます。
また、プロテインには、コラーゲンやヒアルロン酸などの美容成分をブレンドしたものもありますので、必要に応じて選びましょう。
体質で選ぶ
- 牛乳に含まれる乳糖で、お腹を壊しやすい乳糖不耐症の人は、WPI製法のホエイプロテインやソイ(大豆)プロテインを選びましょう。
“ラクトースフリー(乳糖フリー)”の記載がある商品もあるので、このような商品を選びましょう。 - 大豆に含まれるレクチンでお腹を壊す人は、ホエイプロテインやカゼインプロテインを選びましょう。
味で選ぶ
飲みやすい味であることも大切です。
プロテインには、無味のものから、ココア味・バニラ味・ストロベリー味など、色々な味のものが販売されています。
好みに応じて、選びましょう。
(こればかりは、購入して飲んでみないと分かりませんが…。)
効率よく筋肉を増やしたい場合
吸収が早いホエイプロテインを選びましょう。
筋肉を増やしたい場合、運動の90分ほど前にプロテインを摂って栄養を補い、運動直後30分以内にプロテインを摂って、筋肉の成長と修復を促すのが効果的です。
プロテインを飲むタイミング
- 朝に飲む
朝は、空腹で栄養が枯渇状態です。
まず、起きた直後は、白湯を飲んで、眠っている内臓を起こしましょう。
その後、プロテインを飲むと、効率よく体内に吸収されます。 - 運動の直後に飲む
プロテインを運動後30分以内に飲むことで、素早く傷ついた筋肉の修復を促すことができます。 - 就寝前に飲む
プロテインを就寝の1〜2時間前に飲むと、成長ホルモンの分泌が促されます。
就寝中に、疲労回復や筋肉の成長や修復を行うことができます。 - 間食として飲む
1日に1回、いっぺんに摂るのではなく、少しずつ何度かに分けて摂る方が、吸収効率が良いです。
プロテインの飲み方
- 水で割る
- 牛乳で割る
- 豆乳で割る
- 野菜ジュースで割る
その時の気分によって、お好みで、割り方を変えるのも楽しいですね。
プロテインを最初に、お湯で溶いてから、水、牛乳、豆乳、野菜ジュースなどで割ると、適度な温度になり、内臓を冷やしませんのでおすすめです。
内臓を冷やすと機能の低下を招いてしまいます。
プロテインの1日の必要量
アメリカスポーツ医学会では、1日に必要なタンパク質量(g)=体重(kg)×1〜2(g)と推奨しています。
例えば、体重50kgの人なら、タンパク質は50〜100gが適量です。
プロテインの必要量は、1日の運動量によって、多少増減します。
日本人は、タンパク質が不足していると言われているので、プロテインを積極的に利用するのも良いでしょう。
プロテイン(パウダー)の注意点
まとめ
プロテインには、①ホエイプロテイン、②カゼインプロテイン、③ソイ(大豆)プロテインの3種類があります。
吸収スピードや目的、体質などに応じて、自分に合ったプロテインを選びましょう。
プロテインを飲んだだけでは、筋肉はつきませんし、ダイエットもできません。
プロテインは、あくまでも、“栄養補助食品”ですので、食事、運動、休息をバランス良く行うことが大切です。