紅茶は、世界中で飲まれて親しまれている飲み物です。
茶葉の産地によって、様々な個性があり、様々な紅茶を生み出しています。
紅茶のいろいろな種類を知りたい方のために、詳しくまとめました。
この記事では、紅茶の世界三代銘茶をはじめとする、様々な紅茶の種類や、紅茶の飲み方をご紹介していきます。
- ダージリン(インド)
- ウバ(スリランカ)
- キーマン(中国)
産地別 紅茶の種類
インド
ダージリン
インド北東部に位置する、ヒマラヤ山脈の標高500〜2000mにある産地です。
高地のため、日中は直射日光が強く、気温が上昇し、夜間は冷え込みます。
このような厳しい寒暖差によって生育するダージリンティーは、甘くフルーティーな香りとすっきりとした味わいを生み出します。
生産量は少ないです
ストレートティーやミルクティーに向いています。
アッサム
インド北東部のアッサム地方のブラマプトラ河流域の渓谷地帯に広がる、世界最大の紅茶産地です。
日照時間、気温、雨量にもほどよく恵まれているため、生産量はインド紅茶の3分の2を占め、世界一の生産量です。
紅茶の色味は濃い赤褐色で、甘い香りと濃厚な渋みとコクがあります。
抽出が早く、味が強く、香りはやわらかなため、様々な紅茶とブレンドしやすく、世界中で広く使われています。
ミルクティーやチャイなどに使用されます。
ニルギリ
南インドの高原に位置する、タミールナドゥ州のケララ近くの丘陵地帯の産地です。
ニルギリとは、現地語で『青い山』を意味します。
味はクセがなく、香りが少なく、紅茶の色味は淡い色をしています。風味は、セイロンティーに似ています。そのため、ブレンド茶としてよく使われます。アイスティーに向いています。
アッサムティーの方が、この土地での栽培に適していたため、現在の栽培の多くはアッサム種です。
スリランカ(セイロン)
ウバ
中央山岳地帯の東側に位置する高地から中地にあたる産地です。
世界3大紅茶の一つです。紅茶の色味は、明るく赤みのある橙色です。
紅茶を注いだカップの内側に、“ゴールデン・リング”と呼ばれる金色の輪ができる。
メントール系のさわやかさな香りとフルーティーな甘さがあり、強い渋みがあります。
ストレートティーやミルクティーでも使用されます。
ディンブラ
中央山岳地帯の西側に広がる高地にある産地です。
高地で栽培される茶葉にしてはタンニンの量が少ないマイルドな紅茶に仕上がっています。
やわらかで豊かな香りと、適度な渋みがあり、すっきりした味わい。
ストレートやミルクティー、アイスティーに使います。
ディコヤ
中央山岳地帯の西部、ディンブラ地区のすぐ近くの高地で栽培されます。
ディンブラと似た点が多く、ソフトでマイルドな風味です。
ストレートティー、ミルクティーに向いています。
ヌワラエリア
中央山岳地帯の高地、標高1800mを中心にした産地です。
昼夜の寒暖差が激しく、良質の茶葉に育ちます。
やや緑茶に似た、すっきり爽やかな渋味があり、緑っぽいデリケートな香りがあります。
紅茶の色味は、明るい橙色です。
ストレートティーやミルクティーに向いています。
ルフナ
山岳地帯の標高400〜500mに位置する産地です。
標高が低めで、気候の変動が小さい地域なので、年間を通して、茶葉の生産が安定しています。
スリランカの紅茶の約60%を占めています。
濃厚な渋味とコクがあり、スモーキーな香りがします。紅茶の色味は紫色がかった深い赤色です。
ミルクティーに向いています。
キャンディ
古都キャンディーを中心とする中地で栽培されています。
クセのないマイルドな味で、さっぱりとした味です。
紅茶の色味は明るい赤色です。
アイスティー、バリエーションティー、ブレンド用として使われています。
さっぱりとした味で、飲みやすい紅茶です。
ギャル
セイロン島南部州ギャル県の低地で栽培されています。
多くが中東地域などに輸出されています。
強いコクと香ばしい風味、渋みは少なく、ほのかな甘味があります。
チャイティーによく使われます。
インドネシア
ジャワ
ジャワ島西部の1500m以上の高地で栽培されています。スリランカ(セイロン)の地形とよく似ているので、紅茶の味わいも近いと言えます。
セイロンティーに似た、マイルドで飲みやすい紅茶です。
紅茶の色味は明るく澄んでいます。爽やかな香りで、渋みが少なくクセのないすっきりとした味わいです。
ストレートティーやアイスティーに向いています。
スマトラ
インドネシア北部に位置するメダン高原を中心に栽培されています。
渋みが少なくクセのない味わいです。
ブレンドティーにも使用されます。
中国
キーマン(キームン)
安徽(あんき)省南部、黄山地区に位置する産地です。
世界三大紅茶の1つです。
スモーキーな濃厚な香りと渋味があり、まろやかな味わいがあります。
フルーティーでエキゾチックな香りといわれています。
紅茶の色味は、明るく澄んだ橙色です。
ストレートティーやミルクティーとして使われます。
ケニア
ケニア
ケニア中部、西部の高地クセがなくマイルドで飲みやすい味で、フレッシュな香りです。
紅茶の色味は、澄んだ赤みの強い橙色です。
ほんのり甘い香りと、クセが少なくマイルドな渋み、濃厚なコクがあります。
ミルクティーやブレンドティーとしてよく使われます。
タンザニア(アフリカンプライド)
タンザニアのウサンバラ高原西部に位置するルショット地区とンジョンべ地区で自然栽培されています。
無農薬で栽培され、手摘みで収穫される、オーガニックなブレンドティーです。
芳醇な香りと、まろやかでクセのない味わいです。
トルコ
リゼ
トルコ北東部の黒海東岸に位置するリゼ県で栽培されています。
世界最北端の紅茶の産地です。
リゼとは、ギリシャ語で『山の傾斜』という意味です。
温暖で降水量が多く肥沃な土壌で、茶葉の栽培に適しています。
マイルドな渋みで飲みやすい紅茶です。紅茶の色味は、深い茶褐色です。
トルコのチャイに使用されています。チャイ専用のグラスで、ストレートまたは、砂糖を入れて飲みます。(ミルクは入れません。)
トルコでは、紅茶の消費国イギリスに匹敵するほどの量が消費されています。
フレーバーティー(着香茶)
紅茶の茶葉に、香油で着香したり、花を加えたり、木の燻煙をつけたものを、フレーバーティー(着香茶)といいます。
香りの種類、ブレンドにより、様々なものがあります。
アールグレイ
柑橘系のベルガモットで香りをつけた、フレーバーティーです。
柑橘系の爽やかな香りです。紅茶の色味は、鮮やかな濃い橙色です。
現在では中国、インド、スリランカの紅茶をブレンドして使用している場合が多くなっており、商品によってよって、色味や風味が異なります。
ストレートティーやアイスティー、ミルクティーで使用されています。
アップルティー
アップルの甘酸っぱく爽やかな香りで、飲みやすいポピュラーな紅茶です。
大きく二つに分類され、青リンゴ系のストレートな甘さのものと、赤リンゴ系甘酸っぱさが際立つものがあります。
ストレートティーやミルクティーに向いています。
ラプサンスーチョン
中国で生まれたフレーバーティーです。松の生木で燻製した紅茶です。
独特のスモーキーな香りで、味わい深く、ミルクと合わせるのに向いています。
マスカットティー
マスカットで香り付けしたフレーバーティーです。
マスカットのフルーティーな香りが人気です。
ストレートティー、アイスティーに向いています。
紅茶の飲み方
紅茶は、適量の摂取で、様々な健康効果を期待できます。
1日に8杯を目安に飲みましょう。
飲みタイミグなどについては、下記の記事を参考にしてください。↓
ストレートティー
紅茶の茶葉を抽出して、そのまま飲みます。
紅茶そのものの味わいを楽しむには、ストレートティーが一番です。
また、紅茶の健康効果を得たい場合もストレートが適しています。
ミルクティー
紅茶にミルクを入れたものです。
ミルクティーに合う茶葉は、強い風味を持つものが良いでしょう。
アッサム、キーマン、ディンブラ、ウバ、アールグレイ、キャラメル などが、ミルクティーとよく合います。
レモンティー
紅茶にレモンスライス、またはレモン果汁を入れたものです。
さっぱりとした風味で、飲みやすいです。アメリカのカリフォルニアで生まれた飲み方です。
レモンを入れると、化学反応で、紅茶の色が薄く変化するため、濃く抽出します。
アイスティー
紅茶を抽出して、氷をたっぷり入れて冷やして飲みます。
ディンブラ、アールグレイ、キーマン
チャイ(インド式)
鍋に水とスパイス(シナモン・カルダモン・クローブ)を入れ、煮出します。
火を止め、茶葉を入れ2分ほど蒸らします。
ミルクと砂糖を入れて再び煮出します。茶漉しで漉して出来上がり。
質の劣る茶葉を美味しく飲むために生まれた飲み方と言われています。
チャイ(トルコ式)
チャイ専用のチャイダンルック(2段式のポット)の下段に水を入れ、上段に茶葉をいれ、お湯を沸騰させます。
下段のお湯を上段に少し注ぎ、茶葉を蒸らします。
再び沸騰させ、下段のお湯を上段の茶葉に適量加え、30分ほどに出します。
かなり濃い紅茶が出来上がります。
チャイ専用グラスのチャイバルダックに注ぎ、下段のお湯を加えて好みの濃さに調整して、ストレートまたは、砂糖を入れて飲みます。
ロシアンティー
紅茶を、ジャムを舐めながら飲むという飲み方です。
お茶菓子の代わりにジャムを使用し、紅茶を楽しむというもの。
ジャムの甘酸っぱさが紅茶とよく合います。
日本では、“紅茶にジャムを入れて飲む”と思う方が結構多いと思いますが、そうではないのです。
ロシアンティーの飲み方は、ロシア全体の習慣ではなく、ロシアンティーと言っても通じない場合があります。
まとめ
紅茶の種類、入れ方などについて、まとめてきました。
世界三大紅茶のダージリン・ウバ・キーマンをはじめ、様々な種類があることがわかりました。
紅茶の産地やそれぞれの特徴を理解すると、紅茶の飲み方も違ってきます。
毎日のように、いろいろな紅茶を試して、楽しんでいきたいですね。
世界三大銘茶